JA新すながわの「チームトマト」が製造販売する「とまとじゅーす」は今年も順調に販売数量を伸ばしている。材料のトマトは完熟にこだわり、大玉トマト「桃太郎」とミニトマトをブレンドすることで独特の甘さと、”ドロッ”とした喉越しが特徴。2019年は大瓶換算で約1900本を売り上げた。
旧奈井江町農協女性部が周年事業の資金源とするために1990年からジュースを作っていたが、目的を達成したので女性部としての事業は2007年に終了した。翌08年、現代表の堀美鈴さん(71)らは、これまで培ったノウハウやリピーターのためにも製造を継続しようと女性部員約80人に呼び掛けた。しかし、集まったのは7人。「あまりの少なさに驚いた」と振り返る。このメンバーで「チームトマト」を結成し、現在まで入れ替わりはない。
「とまとじゅーす」は毎年、トマトが完熟する7月末から9月上旬に製造し、早い年は翌年の5月を待たずに完売することもある。原料の質を確保するため、メンバー以外からは調達していないからだ。大玉トマトとミニトマトの配合比率は企業秘密で、食塩のみを加えている。
製造は同JA新すながわの加工室を利用し、メンバーの家事を考慮して作業は平日午前8時から午後3時30分までと決めた。ヘタを取ってスライスし、窯で一度に約100キロを煮て裏漉し、再加熱、瓶詰までをその日のうちに行う。ラベル貼りは翌日以降に行う。暑い時期での加熱作業、ほとんどが立ち仕事で体にこたえるという。
堀代表は「楽しくジュースを作っているが、平均年齢も65歳を超える。特に重いものを動かすのが大変。軽くて飲みやすい軽いビールにしておけば良かった」と笑う。トマトの生育には日によってばらつきがあり、「完熟」と「良い」トマトにこだわって作っているので、製造量の調整が必要になるといい「関東や大阪方面からのリピーターの方もいるので、体力の続く限り頑張りたいが、後継組織も課題」と語る。
事務局を担当する同JA営農部の佐藤理恵さんは「メンバーを見ているとみんな仲良く、『工場長』や『裏の代表』などと呼び合い和気あいあいです」と語る。とまとじゅーすは1㍑入り880円、180cc入り300円。同JA本所・支所のホクレンショップや砂川市のハイウェイオアシス内の「そらいちマーケット」で販売する。※そらいちマーケットでは、価格が異なります。