ヒグマ出没 多発

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 砂川市でヒグマの出没が相次いでいる。これまでは砂川市の北側地域にある「北海道子どもの国」周辺に多く出没していたが、22日にはそこから離れた地域にも出没した。
 砂川市によると、4月からのヒグマの出没情報は50件超。ほとんどが子どもの国周辺に出没していた。
 同市北吉野町でキュウリやトマトなど約1ヘクタールを栽培する安田敏文さん(71)は22日夕、自宅に隣接する圃場で4頭のヒグマに遭遇した。
 安田さんは、スモモとりんごの木に仕掛けたアライグマのワナの様子を見に行ったところ、体長1.5メートルほどの親熊1頭と50センチほどの子熊3頭と鉢合わせした。熊の親子はスモモの木に登り、果実を食べていた。その距離約3メートル。幸い車内からの遭遇だったためケガなどはなく、クラクションを鳴らし続けると、スモモの太い枝を折って山のほうに逃げた。
 25日朝には、アライグマ用のワナに子熊が入っていたが、近寄ると金属製のワナを壊して逃げた。商品にならないスイカを食い荒らしていた。
 安田さんの自宅はJR砂川駅から東に3キロほどの市街地に近い場所。鹿やアライグマは多く出没するが、熊の情報は年に数回ある地域。警察や砂川市などに連絡したが、子熊を連れていることから駆除などはせず、山に帰るよう忌避装置などで対応している。
 安田さんは「これまで、熊の鳴き声を聞いたり、遠くから姿を見ることはあったが、至近距離で見たのは初めて。鹿や熊の数が増えていて人里にも出てきている」と環境の変化を訴える。さらに安田さんは「子熊はそろそろ独り立ちする季節。狩猟のライセンスはあるが、むやみに駆除できない。キュウリなどの収穫にパートさんが働いているので、熊の動きが気になる」と不安を口にする。

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